奇跡 〜LovePiece〜
「妃奈乃ってさぁ〜本当に気付いてないのカナ??」

真知香の発言に、俺と心チャンは頷いた。


「気付いてないっしょ。男、苦手みたいだもんね」


「なんで気付かないの!?妃奈乃の事見てる男達に。」

「見られてる事にすら気がついてないんだよ〜」


真知香と心チャンの会話。

そぅ…
妃奈乃は、自分がモテてる事に気がついてない。

こことうちの男子校は、目と鼻の先。

俺の男子校の奴らの中で、妃奈乃は可愛いって噂になってる。本気で好きって奴もいるくらい。


でも、男にまったく興味のない妃奈乃は…
気付く気配すらないって訳。


「あり得ない位、鈍感…」

「だから!まぁそこが可愛いんだよね。」


「心チャン…可愛いって言うのも分かるケドさぁ〜。ちょっとは気付いて、恋もした方がィィと思わん??」

俺が言う事に、真知香が強く共感してくれた。


「そうだよ!!!恋した方がィィよ。あたしみたいに♪」


ただノロケたかっただけかよ…!!


『妃奈乃が心を許せる人が現れますように。』


3人でそう祈りながら、学校を後にした。
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