さくら ―余命3年の恋―
「どこ行ったんだろ…」
ドアを閉め、また歩き出す。
キョロキョロしながら廊下を歩いていると、ふと中庭に視線がいく。
───そこに探していた人の姿を見つけた。
「千秋っ」
外へ出て声をかける。
振り返ると、やっぱりそれは千秋だった。
「お姉ちゃん!」
私に駆け寄り、嬉しそうな笑顔を見せる。
───何しろ、1ヶ月ほどお見舞いには行けていなかった。
入学式やらいろいろ急がしかったのだ。
「お見舞いにきてくれたの?」