さくら ―余命3年の恋―
「うん。久しぶり。
…調子はどう?」
「大丈夫だよ。
今日は調子がよくてね」
「そう」
ホッと胸を撫で下ろす。
元気そうで何より。
自然と顔も綻ぶ。
絵のことを思い出して、取り出そうとカバンを抱えた。
「あ、お姉ちゃん、紹介するね」
「えっ?」
───さっきまで気づかなかった。
千秋の後ろにいた人物………
「佐倉蒼空(サクラソラ)くん。
蒼空くん、お姉ちゃんなの」
───思わず、抱えていたカバンを落とした。