さくら ―余命3年の恋―
───ガラッ。
「…お姉ちゃん」
「ん?」
ドアを開けて部屋から出ようとした私を、千秋が呼び止めた。
呼ばれて振り返ると、言いにくいことなのか、俯き加減に口ごもっている。
「どうしたの?」
「あの…ね、お姉ちゃん………
蒼空くんと、本当に知り合いなだけ…なんだよね………?」
───泣きそうな表情で、でもしっかりと私の目を見据えて訊いてきた。
…心配なんだろう。
それは、千秋が蒼空のことが好きだから───。