さくら ―余命3年の恋―
「失礼します…」
遠慮がちにドアを開けてみる。
すると、やっぱりそこにいたのはベットの上で身体を起こした蒼空だった。
「看護婦さんから私を探してたって聞いたんだけど…」
「ちょっと絵を見せてもらいたくて」
「…絵?」
「うん、あの桜の絵」
私は持っていたカバンの中から、あの桜の絵を取り出した。
それをおずおずと手渡す。
「───やっぱり好きだな。
お気に入りの場所だからかもしれないけど、この絵見てるとなんか落ち着く」