さくら ―余命3年の恋―
そんなことは分かっている。
───でも、小さい頃からよく“千秋になりたい”と思ったことが幾度となくあった。
「千秋ちゃんにひとつ年上でしょ?」
「そうだけど…」
「よく千秋ちゃんに聞かされるよ、お姉ちゃんの話。
“お姉ちゃんになりたいな~”ってよく言ってる」
千秋が、私に?
…ああ、そうか。
千秋からしてみれば、何不自由なく暮らす私が羨ましいに決まっている。
でも、私からしてみれば逆に千秋が羨ましかったりするのだ。