10円の魔法



「何がいいのかわかんないし」



幸成にお金を渡して、購買に送り出した。



「あ、そろそろホワイトデーだね」


巧が人差し指を立てて、笑顔で言った。



巧の良いところは、誰にでも優しいところと、1年中笑っているところだと思う。




「…………だから?」


うちは巧の笑顔に、険しい顔で返した。




「あ〜、バレンタインデーに渡してたよね。
幸成君に」





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