僕とあの子の放課後勝負
しょうぶ 一回戦

次の日の朝は、寝起きが悪かった。

ジリリリリリ。うるさい、目を覚ます、止める、二度寝する。また鳴る、うるさい、目を覚ます、止める、三度寝する。なんて酷い無限ループ。寝坊したのはきっと、いや、絶対にこれのせいだ。

「おはよう」
「ご飯は?」
「トースト焼いといて!」

急いで支度して、トーストを食べて家を飛び出す。遅刻すれすれの時間に出たせいで生徒は誰も居ない。僕は必死に、通学路を走った。
あと少しで校門をくぐる手前で、トラックが前を横切る。立ち止まって、車が通り過ぎたらまた走る。昇降口に着いた時点で、朝会が始まるチャイムが鳴ってしまった。タイムアップ、僕。
扉を開けると、黒板には「自習」の文字。先生は見当たらない、助かった。

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