ふたりごと


何気ない日常。


休日の朝、いつものように二人で起きて、二人でダイニングで熱々に温めた甘いホットミルクを飲む。


和仁はコーヒーが苦手だから、いつもホットミルク。


白いテーブルの上に、ペアのマグカップ。
全部、いつもの光景。


これっぽっちも変わったところなんて見当たらなくて、私は呑気に昨日見たドラマの話をしていた。


少し会話が途切れたのを見計らったように、和仁がポツリと声を出した。


「遥、話があるんだ。大事な話」


私はとても深刻な彼の顔を見て、一体何事かと不安になった。


深刻で、それでいて暗い表情。


まさか、転勤になるとか?
それとも、誰かに騙されてお金を貸しちゃったとか?
立ち上げたプロジェクトが無くなったとか?


様々な思い付く限りの最悪のシナリオを描いてみる。


「何かあったの?」


私はこれから彼に言われることが、自分をどん底に落とすなんて全く思わずに、彼の答えを急かすように尋ねた。


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