年下の悪魔
さっきまで冷え切ってた体が今じゃあったかい。



「大丈夫ですか?震えてますけど…」



知らず知らずのうちに涼君の腕にしがみついてた。




きっと、熱にうなされてるせいだ。


こんなにドキドキするのも


体中が熱いのも


涼君が優しく見えるのも


涼君の腕にギュッとしがみついてるのも


元彼より涼君の方が気になってしまってるのも





全部風邪のせいだ。







「今日は逃がしてあげます。送るんで家教えて下さい」

やだ…。

離したくない。

帰りたくない。

風邪をひくと淋しがり屋になるのかな?


ギュッと握った腕を離せないでいる。


「ゆいさん?家教えて下さい」


あ…、そーいえば、この子私の家知らないんだよね。

いつも自販機で解散してたから。

「でも、今日はまだ何も…」

「そんな状態で抱ける訳無いでしょ…」

私をゆっくり椅子に寝かせ涼君は運転席へ移動。

「それじゃセフレの意味が…」

「病人が何言ってんの?早く家までナビして」


どうしよう…。
嫌われた…。
私が涼君といられる唯一の道具なのに。
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