年下の悪魔
顔にかかってた髪の毛を払い、いつもみたいな接吻。

今更だけど風邪移しちゃうかなー…

いいや、こんな奴が風邪引こうが何だろうが。

涼君の手がシャツの中に挿入された時、涼君の手が諸肌に触れた。

「きゃぁ…冷たい…」

「冷たいって…俺の手がですか?」

少しの冷たさでも敏感になってる。

「ゆいさんの体、何かめちゃくちゃ熱いですよ?興奮してるんですか?」

んな訳ないじゃないって言いたいけど、もう怒りも感じない。



「ゆいさん、まさか風邪ひいてんスか?」

涼君の手が額に当たった。
そんなに冷たいわけでもないのに…

「ひんやりして気持ちいい」

「ちょっと、めちゃくちゃ熱いじゃないですか!」

「ごめん、実はちょっと風邪気味…さっきから寒くて…」

「何でもっと早く言わないんですかっ!」

あれ?
もしかして、心配してくれてる?

「ったく、世話かけないで下さいよ…」

何て奴よ。

そんなに呆れ果てなくも…、怒らなくても…。

しかし声色とは裏腹に私の背中に腕を回し私を抱き起こすと、そのままスッポリと抱きしめられてしまった。

「何してるの…?」

「こうしてたらあったかいでしょ?今上着的なもの持ってないんで…」

「風邪…移っちゃうよ」

「移してもいいですよ。人に移したら早く治るらしいですから」

「でも…さぁ…」

「うるさいです」

ぴしゃりと一喝されてしまった。

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