年下の悪魔

仕事が終わったPM11:00。

仕事が終わったというか、お店の閉店時間なだけでお客さんはまだいる。

でも、昔からちょくちょく来てくれてる常連さんみたいだし、お店にはその一組(6名)しかいないし、随分お酒も進んで、ただ談笑してるだけみたいだし、私はまた明日の朝から来なきゃいけないし。

これがこのお店のシステム。

「ゆいちゃん、お疲れ様。後は大丈夫そうだから涼君とご飯でも食べて帰っていいよ」

「…あ、はい。お疲れ様です」

「わかりました。ゆいさん、何食べます?」


店長の声に反応したのは、私と同じ職場の涼。

涼は、私が高校生の頃バイトに来てた1つ下の男の子。

当時私が高校3年生で涼が高校2年生。

私は卒業後もこの店でバイトしてたけど、涼は卒業、就職の為この店をやめた。

でも、さすがに忙しい年末年始。

助っ人として呼ばれたんだろう。

中華鍋を扱える男手が不足してるんだろうな。


「んー…別に何でもいいけど」

さすがにこの時間にラーメンなんか食べたら胃がもたれるけど、空腹には勝てない。

「じゃあ、塩ラーメン作って」

「わかりました。じゃあ、俺もそうしよっと。面倒くせぇし」


昔から思ってたんだけど、この子って笑顔少ないんだよね…。

って、今だけは人の事言えないよね、私も。


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