年下の悪魔
「なっ、そんな訳ないでしょ!」

見透かされた。

心を読まれた。

ムカつくっ、というより悔しい!

一瞬、心臓が止まった気がした。

くすくす笑う涼君。

今は悪魔というより…小悪魔だ。

「車に酔っただけよっ!照れてるわけないじゃないっ!バカな事言わないで!」

「あ、やっといつものゆいさんだ。久しぶりに見た!あはは、車に酔ったって、ずっと寝てたじゃないですか。それに車酔いで赤面しますか?普通青白くなるもんでしょ?」

浴びせれるだけの罵声を浴びせたのに…っ。

私の方が年上なのに、まるで私の方が年下みたいだ。

本心を読まれムキになって…大人気ない。


けど、私もこんな笑顔の涼君を見るのは久しぶりだ。


私、どうしてこんなにホッとしてるんだろう?


「と、とにかく私は車酔いなの!間違いなく車酔いなの!後ろで寝るからさっさと車出して!」

「あははっ、はいはい」

助手席のドアを開け一旦外に出て、後部座席に移動した。

一瞬だけだが、さすが山の頂上付近なだけある。

寒すぎっ。

涼君に買ってもらったお茶を持ち、後部座席に移り横になった瞬間、エンジンのかかる音がした。

ゆっくりUターンして、暗い山道を走って行く。


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