マイ・スペース
「要するに、カエデじゃなくてもいい。デートできる女の子だったら」
そういうことにとらえたんでしょ?カエデは。
いつもの非常階段で、マコが言った。
そう。溜息と一緒にでた言葉は思ったより元気がなかった。
「で、へこんでるわけ?」
「へこんでないよ」
ふーん。しばらく二人で黙っていると、マコが言った。
「もう少し、我慢してみたら」
「なんで?」
「なんとなく。タカにとってカエデは初カノでしょ?なんだか不憫に思っただけ。恋愛経験ないんだからさ。必死なんだよ」
ほんとに好きなら、ちょっとは寛大になったら。
マコはそう言い残し、バイトに行くからと言って帰って行った。