遠くの空に。
『私も最初はそうしようと思った…。でも、彼が言ったの。「俺は、外に遊びに行って、笑顔で帰ってくる鈴夏を迎えるのが、一番の幸せだった。」って。「だから、今まで通りにしてほしい。」って。』
あたしも大ちゃんも、言葉を失ったまま、ただ静かに鈴夏の話をきいていた。
なんてバカだったんだろう…。
自分のことばっかりで、鈴夏がつらい思いをしてることに、気付いてあげられなかった。
あたしと龍騎のことなんて、鈴夏のことに比べれば、ちっぽけな問題だったのに…。