クラウピア 〜雲の上の国の物語〜
『ふわぁ〜あ…』
 大きなあくびをもらしている。
『コウくん!聞く気あるの!?私の話をっ!』
『…まあまあ。』
 目をそらしたまま言う。


ここは職員室。

この少年は先生に呼び出され、緊急面談をやっているみたいだ。

しかし、聞く気はない。

それでも来たのは、家に電話されたりするのが、めんどいからか?

『なに言ってるんですか!あなた、この成績でっっ』
 通知票を見せる。

オール3。

5段階評価で。

そこまで悪くない。

よくもないが。

『なにか問題ですか?もっと悪い人がいるじゃないですか。』
『あなた、勉強、サボってるでしょ?』
 目がキラーンと光る。
『はい。』
 即答。

先生はずっこける。

『違うー!そーゆー意味じゃないっ!あなた、実はすごく頭いいでしょ?』
 姿勢を正してから言う。
『そんなことないですよ。』
 相変わらず、眠そうに答える。

ときどき頭をかく。

『いーや!だって、高校入試で1番テストの点が高かったのはあなたなのよっ!』
 ビシッと指差す。

どーだー、これぞ核心みたいな表情をしている。

が…

『たまたまです。』
 即答。

むしろ一刀両断。

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