あなたとわたし 魔法と呪い

[幹斗Side]



イライラしてた。

自分が来たいと言ったくせに…

サラダも分けない。

食いもしない。


勇作が気を使って話しかけてんのに、返事もしない。


最低だ。



「なんなの。お前。意味わかんねー。」

父ちゃんに借りた車に乗せ、すぐにキレた。



「幹斗…駅でいいから。」
ほんっとに意味がわかんねー
人の話し聞いてんのか…こいつ…

「はぁ?ってかイライラする。
お前歩いて帰れば…」

泣くと思ってた。
泣かしてやろうって思ってた。

「分かった。
それから…これ返す。」

泣きもせず…声も震わさず…合鍵を返された。

そこで…ようやく…少し冷静になった。


「…なんで…」







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