あなたとわたし 魔法と呪い

そう言って、泣くあいつになぜかイライラした。


おかしいとは思ってた。

たいして仲が良さそうな奴もいないのに…
いつも『先に行ってて』という。

大荷物なのに…
いつも『ジュース買ってくる』という。なのに、一度だってジュースなんてもってこないんだ。


自由人平岡の雑用は半端なくて…

やたら量の多いプリントは半分にしても
けっこう重い。

男の俺だってそうなんだ。

あいつにジュースを買う余裕はないはず…



だから…
特に意味もなく聞いたんだ。

「いっつもジュース買ってなかったよね。

ってかあんな荷物じゃ買えないでしょ。

いっつも遅れてくるし、平岡に文句言われるの俺なんだけど……」

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