Real Love...?
「あんた大丈夫か?」
「うん…ありがと。」
記憶を失くしても
変わらなく優しい翔くん。
「別に。
ああいう軽いやつ嫌いだから。」
「ふふっ」
いつもと変わらない翔くんが
何だか面白くなった。
「笑うなよっ。
それよりあんた
何でいつも来てくれるんだ?」
「ごめんごめん♪
何でだろうね……。」
「何だよそれ♪
あんた面白いなっ」
「そぉかな?
そんなの初めて言われた。」
「その辺の女と違うよ。
俺、女って苦手なんだよ。」
「知ってるよ♪
翔くんはその辺のチャラ男と
一緒にされるのも嫌いでしょ?」
「何でわかるんだよ。」
「何でだろうねっ」
「何だそれっ♪
お前、面白い女だなっ」
「私はあんたでも
お前でもなくて桜井春だからっ」
「……春?
聞いたことある名前だな。」
思い出してくれることを信じて
私は初対面のふりをした。
「そう?
どこにでもいるよ。
部屋戻ろっ。
体休めて早く退院しないと。」
病室へ戻ると私たちは
たわいもない話を続けた。
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