Real Love...?







コンコン





部屋に入ると
翔くんの姿がなかった。





「トイレかな…?」





私は荷物を置きカーテンを開け
外の景色を眺めていた。





ふと下に目をやると
昨日の男が立っていた。



「何でっ?」



男は手を振っていた。



私は慌ててカーテンを閉めると
花瓶を持って水道へと向かった。







………………………………………

あの人、何してたんだろ…。

………………………………………




俯きながら考えていると
どこからか声が聞こえてきた。





「あなたケガしてるの?」

「あぁ。
バイクにぶつかったんだ。」




自動販売機の方へ近づくと
翔くんが誰かと話していた。




………………………………………

あの子、さっきの………。

………………………………………




「それって大丈夫なの?」


「あぁ。
もう回復したから。」


「ふ〜ん。
私、神崎花梨!
あなたの名前は?」


「中嶋翔だけど。」


「じゃぁ翔くんだね!」


「は?馴れ馴れしいぞ。」


「いいじゃん♪
それより翔くんは何歳?」


「お前に教える理由ねぇだろ」


「私、お前じゃなくて
神崎花梨だからっ!

ちゃんと名前で呼んでよ。」


「わかったよ。

俺は18歳だよ花梨。」


「やっと花梨って
呼んでくれたねっ♪」





仲良く話す二人はまるで
出会った頃の私たちの様だった。





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