君唄〜キミウタ〜

弱唄 ジャクウタ

「あっけみ♪来ましたよぉ〜い・と・し・の・彼が♪」
「もぉ!やめてよ唯ってば」

私,日向明美は弱虫で絵を書くコトしか取りえのなくて目立つ訳でもないごく普通の高校生。

隣にいる山田唯は私のいとこであり,クラスメイト。
そして唯は私の好きな人を知ってるただ一人の人。

「でもさ明美。いつまでたっても今みたいに話さずにいたらアタックどころか,告白なんて絶対にできないよ?」
「うん…」

そう。
私の好きな人は私とは全くの無関係。
クラスメイトとしか言えない仲で話すコトも全くなし。
私はいつも見守るように彼を見てる…

時々,クラスの女子が彼に抱き着いたりしても私はただこらえるしかできない…
唯の言ったとおりこのままじゃ告白どころか話すコトさえ無理な状態。

席替えでおまじないをしてみても結局は遠くの席になっちゃう。
そして部活で窓から顔を出していつも彼を見ていても彼は気付いてくれず…


そんなコトが当たり前になってる。

やっぱり私と彼を諦めた方がいいのか…?

「唯!明美!おつ〜♪」
「今日は早いじゃん架!」
「まぁな〜」

こいつは玉田架。
私と唯の幼なじみ。

そして唯の大好きな人。

どこがいいのかは分からないんだけどね。

「あ!とって日向!」
「えっあ…うん」

ヤバイ!声かけられちゃった!
嬉しいし!!

「ありがとう!!!」

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