君唄〜キミウタ〜
「…カッコイイ」

「おいそこ!思ったコト,口に出てるよ!」
「あっ////」

彼が…私に「ありがとう」って
満面の笑顔でニッコリ笑って…

って考えすぎ!!
誰にだって優しいんだからそのくらい当たり前だし!!

ちょっと残念…

「次は部活か…」

私は足早に教室をさり,階段を駆け登って3階の図工室へと向かった。

ガラッ

誰もいない図工室。
部員は私だけ。
顧問の先生もいない。

私,一人だけ。

カララ
淡いピンクのカーテンを開けて私の大好きな人を見守る。

いつものように彼はサッカーを夢中やりながらびっしゃり汗をかいてる。
真っ白なTシャツに赤色のラインが入った,青色の半ズボン。
輝く後ろ姿…


私はそれを眺めながら絵を書き始める。

今までに何枚彼の絵を書いたんだろうか。
私は全く分からない。

「よし…できた…」
バサササーッ

後ろの本棚の本がおちた。
面倒なコトになっちゃって…

かたずけていると本の間から楽譜がでてきた。
途中までしか音符が書かれていない題名のない楽譜。

はしっこにはサッカーボールが描かれていた。

きっとこの人はサッカーが好きなんだな…

「よし…と」

私は図工室にある古いピアノを弾き始めた。
楽譜のとおりに。

弾いているうちに歌詞が思いうかぶ…
何故か分からないけど弾けば弾くほど大好きな人のコトが思い浮かぶ。

「…」

途中まで弾き終わり,私は歌詞をつけた。

彼の笑顔について
彼の姿について

彼の全部を…

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