焼きプリンの記憶
このクラスでナオくらいしか友達がいないのは
あたしが興味ないのもあるけど――――

こんなこと考えるのやめよ。思い出したくない。

「れみか…俺に話して?なにがあったんだ?」


ナオ…


ナオはこういうときは優しい。

髪は全体的に黄色く染めて一部黒く稲妻
みたいな模様にしていて不良みたいだけど

心優しい人。

おまけにかっこいいから女子からモテる。


「あのね……」


あたしは全部話した。
両想い元カレがいたこと。
急に彼から「別れよ」と言われたこと。

でも、メールでは
「好きだ。だから誰とも付き合うな」
と言われ続けたこと。

だけど、彼はあたしとのよりを
もどさなかったこと。
だけどあいつは今、親友と付き合っていること。
あたしの話をナオはうなずきながらきいてくれた。

なんかスッキリした。



「んなら、高宮に聞いたほうが早いんじゃね?」

「やだよ。勇気ないし…」

「んじゃ。俺聞いてくる」

「ほえ?」

思わす驚いて馬鹿な声を出してしまった。
引き止めようと、隣を見るとナオはいなかった。
もうすでに、ナオは鈴奈のところへ行っていた。
会話がここまで聞こえる。

「高宮。お前彼氏いんの?」

「えー。秘密だよー」
顔真っ赤!!ってことは――いるんだね。

鈴奈の返事を聞いてナオはあたしを見た。
あたしはこれ以上ここにいたくなくて…



教室から逃げた。


廊下でとぼとぼ歩いていた。

どすっ!!

人にぶつかった。
誰だよ。こんなにイライラしているときに…。
上を見て睨んだが、すぐにあたしは目を逸らした。

「れみか。そんな顔すんなよ。わるかったな。


元彼がいた。
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