ふぞろいな三角たち
「麗はどうしたいの?」


どうせ答えなんてないだろうと分かってるのに、あえてそんな風に聞いた。






「わかんない…でもね…」



小さな声で、聞き取れないような本当に小さな声で、麗は僕の一番欲しくない答えを囁いた。




「付き合ってみたら、どんな感じなんだろうな…」


ああ、付き合いたいんだって心がしょげる。



「付き合ったら辛いんじゃない。先輩モテるし、すぐ飽きられて浮気とかされそうだし、実は男の人もイケる人だったり…」


思い浮かぶ悪い噂を全部並べてあげても、麗は上の空だった。










「私も、二階堂先輩のこと、好きになっちゃったかも?」




なんで?


「イケメンに告白されたらすぐ好きになっちゃうわけ?」


僕はムキになってそう問い詰めてしまった。



「そんなんじゃないけど、私だってよくわかんないのに、説明なんてできないよ…」


ほほを赤らめてそういう態度をするから、ああ本気なんだって思ってしまった。
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