ふぞろいな三角たち
放課後の部活中も、麗はずっと上の空で、全然練習に集中してくれない。

ハッキリ言ってイライラする…

思わず練習中に手加減するのを忘れて組みしだいてしまうと、麗はビックリしてそのまま負けてしまった。

「ビックリした、樹いつの間にそんなに強く…」

「ボーッとしてんなよ、怪我するぞ!」

麗が言いかける間もなく僕はちょっときつめにそう叱咤した。



「これが俺の本気だからな、ちゃんと麗も真剣に練習して。」


そこまで言ってあげると、今度はいつもの真剣な彼女に戻って、二度目は僕の方があっという間にやられてしまった。





練習が終わると、麗は美優達と一緒にロッカールームに戻る。

またなんだかボーッとしてるなって心配になってずっと後ろから見守っていると、体育館入り口のちょっとした段差で躓いた。
とっさに僕が支えて事なきを得たけど、ちょっと危なかったぞ…

「大丈夫?」

僕は今度は優しくそう言うと、麗は真っ赤になってありがとうといってくれる。

そんな僕たちを美優は横目で見ながら、またやってるねって感じであきれて先にいくよっていってしまった。



「ああ、樹が彼氏だったら、楽だったのになぁ…」

そんな風にぼやいてくれるから、

「じゃあ付き合っちゃおうか?」


僕は真面目な顔で真剣にそう麗に告白した。
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