鬼殺し
「美鈴……」

沙耶香は親友の言葉に息を呑んだ。

沙耶香と美鈴、二人とも田舎から大学進学に当たって上京してきた。

入学式の時に隣の席に座って以来の親友という間柄。


「そうだよ……ただの遊びや脅しなんかじゃないかも。

だって入り口見てみろよ……」

雅人〈マサト〉の控えめな声があがり、部屋に唯一ある鉄製のドアの前へ、各々視線を向けた。

夢でも作り物でもない、死体がそこにある。
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