君がいてくれるなら


部室の窓を開けてサッカー部の活動するグラウンドを眺めてみる。

すっかり汗が冷めた体に、夕方の冷たい風が吹き付けて思わず肩を抱く。


オレンジ色に染まったグラウンドで、サッカー部はいつも最後にやってるダッシュ。

コートの縦のラインをめいいっぱい使って、端から端まで何回も行ったり来たり、全速力で走る部員達。

コートまで少し距離があるし、逆光だからハッキリは分からないけど

あそこで先輩も頑張って走ってる。


「うっわぁ…キツそう。」

「練習の最後にアレは…絶対に益野(マスノ/サッカー部顧問)ドSだよね。」

「確かに、指示出しとかすごくイキイキしてるし。」


見てる方がゲッソリしそうなダッシュを見ながら、私は先輩にメールを打った。

あのダッシュの後、先輩が見て少しでも気が休まるといいな。


そう思いながらメールを打った。



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