隠れ鬼ごっこ
さっきより震えている。


怜「雅明?どうした、大丈夫か?」


俺は雅明の両肩を持った。

何かに怯えている様だ。


雅「さ……さ…とし…!な…なんか…きて…る…!」


下を向いてガタガタ震えながら雅明は必死に俺に訴えてる。


怜「何か…?何かって、なんだよ?」


雅「わか…らない…けど…。よくないものが……!や…やっぱり…やらない方が……良かった…んだ……。どうしよう…!どうしよう…!!」


雅明は半分泣きながら俺に言った。


完全にパニックになっている。


周りの皆も雅明に何が起きたのか分からなく、心配そうにしている。


怜「雅明、落ち着け!大丈夫だから。とりあえず一旦ここから離れ―――」


雅「ひっ……!」


突然、雅明のパニックが治まった。


だが、それは落ち着いたわけではなかった。


涙が頬を伝っていく。


雅明は目を大きくさせて下を凝視している。


怜「雅明?」


雅「さ…とし……。僕……もう…ダメ…みたい…だ……」


雅明は諦めたかの様に言った。


怜「何がどうし――」


俺は雅明が凝視している足元を見た。


怜「!!!」


そこにあったのはさっき使った鏡。


その鏡から……手が伸びており雅明の足を掴んでいた。
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