隠れ鬼ごっこ
拓「嘘だろ…あんな派手な音たてて割れてないわけ…」


確かにした。


ガシャーンという何かが割れる音が………。


昴「で、でもよ、音が激しかっただけで割れてなかったんじゃねぇの?
ビー玉が落ちただけだしよ。
てか、ビー玉が壊れた音かもしれねぇじゃん?」


昴がそう言った。


確かにビー玉が落ちただけで、割れたのはビー玉という可能性もある。


しかし……


雅「そ…それにしたって……ビー玉の破片も…ないんだよ……?転がってったとしても……回りにはないんだ…」


怜「えっ?」


俺は辺りを見渡した。


すると、本当にビー玉がなくなっている。


そんなに遠くまで飛んでいくなんてありえない。


拓「お、おい、文太。その隠れ鬼ごっこってやつのスタートって…どうなんだよ?」


文「そこまでは…分からねぇけど……。
ただ、場所はここと似たような感じだとは聞いた」


文太ですら、今の状況に疑問を持っている。


怜「…とりあえず、一旦帰らないか?ここに居ても状況は変わら――」


俺がそう言った瞬間……


雅「あっ……」


雅明が頭を抱えて下を向いた。


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