ラブレター 〜初恋〜
母「ハルちゃんハルちゃんには本当に感謝してるのよあの子に恋をさせてくれて…決して自分を責めたりしないでほしいの」
母「私も…もちろんトウマもそんなことこれっぽっちも思ってないから。あの子ね、かすかに意識はずっとあったの、ハルちゃんはずっと眠り続けてたけど…ずっとハルちゃんの事を想ってたと思うの。声は出てなかったけど一生懸命『ハルハル』って何度も言ってたわハルちゃんが目覚めた日ね、私すぐにトウマに伝えたわ…そしたらね今までにないぐらいすっごいいい笑顔みせてくれたの…『よかったぁ』って言ったわ…それからゆっくりと目を閉じて眠ってしまったけど…」
ハルは泣き崩れた。今までにこんなに悲しいことはあっただろうか…。神様はいるの?いるなら何でこんなにも私を苦しめるのだろうと心の中で叫んだ…。
どれだけ泣いただろうか…わからないぐらい泣きすぎて涙が枯れるのではないかという程に泣いた。
母「あの子は可哀相なんかじゃないからね…あの子は幸せだったから…確かに長くは生きられなかったかもしれないけどこんなにも誰かのことを想うことができてたんだから…ハルちゃん勝手に巻き込んでしまってたくさん苦しめてしまってごめんなさいねぇ…知りたくないことばかりだったかもしれないから…でもあの子の親として満足に親らしいことなんてしてあげられてなかったから親のえごかもしれないけれど…あの子の気持ち知ってもらいたかったの…」
トウマの母親も今までは涙一つ流していなかったが泣き崩れてしまった…。
ハルはまだ気持ちの整理なんてまったくでていなかった。
ハル「確かに悲しい事もありましたが、話してくれてありがとうございました」しばらくしてハルは手紙を手にし家を出た。
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