チャット★ティチャー
次の日ソワソワしながら学校へ行った。

教室に入るとみんなが俺を指差して、クスクスと笑っている。

どうしたんだろう、と思いながら、ふと黒板に目をやって絶望した。

昨日俺が尋に渡したラブレターが黒板に貼りつけてる。

しかも黒板の空いてる部分には、

「腐臭峠の使者事件」の事や、「右近ダム決壊事件」の事までが書かれていた。

俺は驚きのあまり、放心状態となった。

放心状態の俺の肩を、尋がトントンと叩いた。

「右近君、ごめんね。」

「手紙読んで、恭介君に相談したら取り上げられちゃって。」

もはや意識不明直前の俺は力なく「あ、そう」とだけ返事した。

恭介が「うんこーうんこー」と下品な言葉を連呼した。

そして周りも面白半分にそれにのり、教室にはうんこコールが巻き起こった。

見るに見かねてか、クラス委員長の野々原 咲美(ののはら さくみ)が怒鳴った。

「みんなやめなさいよ!」

「田中君が可哀そうじゃない!」

絶望した俺は咲美を制して「別にいいよ」とだけ言って教室をあとにした。

後ろでは咲美が俺の名前を大声で呼んでいた。

これが「ラブレターの悲劇事件」である。

これにより、引きこもりのトライアングルが完全に形成され、俺は学校にはそれ以来行かなくなり、引きこもりとなった。



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