チャット★ティチャー
自分でも驚くほどの大声だった。

今思えば、中学から恭介とはいつも一緒だった。

ガキ大将気質の恭介には嫌な想いをたくさんさせられたけど、なぜだか、俺は恭介といつも一緒にいた。

いつも一緒にいたのに、恭介に怒鳴ったのはこれが初めてだったかもしれない。

恭介は驚いた表情をした後、掴まれた腕を振りほどき、そっぽを向いて、照れたように頭をかいた。

俺と恭介はしばらく黙って、道場の前に座り込んでいた。

いつしか、どちらともなく口を開き、出会ってからの思い出話が始まった。

そして、この二年間どうしていたか。

咲美と尋、どっちが好きなのか。

そんな他愛ない話をした。

あらかた喋るネタに尽きた頃、恭介はおもむろに竹刀を取り出した。




「もうひと勝負だけ、しねぇか?」




「あぁ、いいよ。」



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