チャット★ティチャー
家に帰り、パソコンの電源を入れ、アブラムの待つチャットルームへと入室した。

アブラム『おかえり、美容院行ってきた?』

ウコン『ただいま、行ってきたよ。』

アブラム『どうだった?』

俺は美容院で粟田が話してくれた話や、髪型に対しての感想を夢中で打ちこんだ。

あらかた話終わると、それまで黙って俺の話を聞いていたアブラムが『楽しかったみたいだな』と言った。

今、自分の中に湧き上がる、この感情をアブラムに伝えようと決心した。

ウコン『俺さ、学校行ってみようと思うんだ。』

アブラム『大丈夫なのか?』

ウコン『わからない』

ウコン『わからないけど、今は学校へ行きたいよ』

アブラム『そうか・・・』

しばらくの沈黙の後にアブラムは言った。

アブラム『よくぞ言った、遂にお前にこれを授ける時が来たようだ』

アブラムからは一通のメールが届いた。

開いてみると添付ファイルが一つついていた。

添付ファイルのファイル名にはこう書かれていた。

『アブラム著 五輪の書』。

・・・

・・・

・・・

・・・

ウコン『なにこれ?なめてるの?』


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