私を捕まえて☆
『彼女はそんな俺に迫って来る様になった

俺としてはもう少し気持ちが彼女に傾いてからと思っていたのだが、なかなかそんな気持ちにはなれなかったんだ

嫌いじゃないから付き合ったけれど、やはりそれ以上の気持ちにはならなかった

水野を彼女扱いせず
デートの時間さえ作らない俺に、とうとう彼女は行動を起こした


ある雨の日
家に帰ると玄関に彼女がいた

ずぶ濡れで立っ彼女を自宅に送ろうと車の鍵を持った時抱いて欲しいと懇願された

泣き震える彼女に俺は

"それは出来ない"

と断ると水野は強引に抱きつきキスをしてきた

当時まだ若かった俺は彼女の気持ちを考える余裕など無く

彼女とはそれっきり連絡を取る事をやめた

今思えば中途半端な気持ちで同僚と付き合った俺が悪いんだ

彼女にしてみれば、恋人同士なら二人でデート位して当たり前だ

そういう事は一切しなかった俺は酷い男だったんだ

今こうして麗奈と恋人同士になって初めて過去の自分の行動を反省する気持ちになったんだ』
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