【短編】生チョコ

挑戦

「ねぇ、たまにはシングルスで勝負してみない?」

1年生の輪の中にいる優に、やさしく決闘状を渡してみた。

いつもなら「早く練習始めるわよ。」と小言しか言わない私の言葉に、1年生たちは少し驚いた表情をしていた。

「いいですよ。楽しそう。」
「先生が来ちゃうから急いでやりましょう」

余裕を感じさせる優の声から逃げるように、私はコートへ向かった。
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