【短編】生チョコ
家庭

ゆっくり

あのときと同じ目が私の前にある。

優と沙理奈の目がだぶって見える。

もしかしたら優と沙理奈って従兄弟かも?

二人が一つになって、また二人になっていく。

もうダメかもしれない・・・。私は心のなかでつぶやく。

鼓動が早くなっているのか、遅くなっているのか分からない。

秒針の進む音が聞こえたような気がした。

もう旅立てる場所はないのだ。ゆっくり、ゆっくり。慌てなくても大丈夫。
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