☆オカマに恋した☆
そして、ずり落ちたハイソックスからは、太く立派な体毛が目に入った。



ショックだった!!




えっ?




えぇー!?




女の子じゃないの?




そんな疑問がよぎる。




その時だった、



「ほっといてくれ!」



 私の手を拒みながら、その子の叫ぶ低い声がして、さらに驚いた。




どう考えても、男の子!!




スカートが風でめくれ上がり、見えるものも確かにトランクスだった。




オカマ……もしくは女装をした変態なのかな?





 そんなことを思っていると、体格の良い警備員が、



「君、何をしているんだ?」



 そう言いながら、私に代わって彼の足をつかみ、あっという間に彼を引きずり降ろした。





 すると彼は、ひざまづき倒れ込んだ。





 顔がはっきりとみえるようになり、力なく潤んだ大きな瞳と一瞬目が合った。





 あまりにも綺麗で、吸い込まれてしまいそうだった。





 しかしすぐに、彼は視線を反らしてしまった。





 太い眉といい、短く刈り込んでいる髪、それにすごく曲がっているリボン。


制服のサイズも、あっていないようだし。




どう考えても、何もかもがミスマッチだ。



 ぎゅっと唇をかみしめ、涙をこらえているかのような彼のほおに、一筋の涙がこぼれ落ちた。





その表情は美しく、惹きつけられるものがあった。
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