Genius~守り人~
「…その事については心配はない。」

帝は静かに言葉を返す。

「その根拠は?」

「これだという根拠は無いが、風火自身も我等と同じく哀哭溜に憎しみを持っている。
哀哭溜抹殺は、元々彼女が提案した事だ。」

「しかし、それだけでは…」

「確かに、それだけでは本当に我々の味方なのか判断しかねる。
しかし風火が裏切りの心を持つなら、この内裏には入れぬはず。
彼女は信じる事が出来る者。
何でも見通す“千里眼”を持つ、そなたならば分かるのではないか?」

「はい。」

細田隊長はそう答えると深く頭を下げた。



< 11 / 233 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop