Genius~守り人~
合図と同時に対面したまま後退する。


構えた清洋と立ったままの草火

互いににらみ合ったまま動かない。



“火乱舞<エル=ベルロ>”

草火の口がそう唱えた。

すると空中に無数の花びらに似た炎が現れ風にのり清洋をとり囲む。


そして一気に清洋に切りかかる。

しかしその前に清洋の障壁によって消されていった。


「やっぱりだめか。」

草火はペロリと小さく舌を出す。


ダンッ


勢いよく地面を蹴り間合いを詰める。

ギンッ

草火に向けて清洋の水を纏う剣が振り下ろされる。

「本気を出して来いよ。」


普段よりも真剣な瞳が草火に刺さる。

「あら、そう?」

風の壁で剣を受け止め涼しげな笑顔で答える。

「そんな事したらあなた怪我だけでは済まなくなるかもよ?」

風の壁を押し清洋から離れる。


「…でも、あなたがそう言うのなら…」

炎を纏い手に刀を握る。


ギインッ


鈍い音を立てて刃と刃ば合わさる。


「クッ…」


清洋は次第に圧されていく。




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