Genius~守り人~
ゆらりと歩み出ると清洋は姿を消した。

否、素早く草火との距離を縮める。

「…死ネ…」

突き出される剣

何とか刀で防いだもののそのまま後方に吹き飛ばされた。

「っ……」

壁に叩きつけられうずくまる。


ザッ


間髪入れず再び清洋の剣が襲いかかる。

それを何とか避けフィールドを駆けて行く。


“炎刃<エル=サネ>”


等身大の刃も今の清洋には効かない

― どうすれば…
…そうだあの手を使って…


走るスピードを上げひとつの大きな葉に飛び乗る


「…上へ…」


このツルを伸ばしフィールドに広がるツルに火をつける

草火の考えた手段



勢いよく伸びていくツル


― 正気に戻りなさい

“エ…”





口を開いた瞬間彼女を何かが貫いた







それは清洋の手から伸びた黒い紐







「…あ……あ……」






フィールド一杯に広がるツルが消えていく







草火の乗った葉も消え彼女は支えを失い墜ちていった。






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