Genius~守り人~
でも草火は気づいた。


清洋の気配が変わっていることに。


いままでの陽の気配が混ざったものとは違う完全な闇の気配

“闇術<ザイ>”


そう呟かれると清洋に巻き付いたツルは朽ちボロボロと崩れていく。

辺りに漂う力は強大であの清洋からの力だと信じれない。

トンッ

解放された清洋が地に降り立つ。

そして見上げられた瞳は紺色からダークグレーへと変わっていた。




片言の言葉
虚ろなダークグレーの瞳



コレはある者達の特徴


闇に捕らわれた者か御前の人形

そして闇の力で操られた者



草火は観客席を見上げる。

客席の中ほどに座る列火と目が合う。

彼はニヤリと不敵の笑みを浮かべる。

[まさかお前が掛かるとはな。ただの裏切り者と睨んでいたが。]

無線機から聞こえる列火の潜めた声

「…」

[殺れ。清洋。]

鋭く冷たい声が響く





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