Genius~守り人~
「…草姉…?」

そう呼ぶと草火は笑った。

瞳に涙を湛え

いつもより優しく


「…良かった……」

次第に重くなる瞼




「……………ありがとう…………また…そう……呼んで…くれて………」

涙が溢れ頬を伝う


「……來……奈………」












瞼が閉じられ、來奈の頬に伸ばされたても落ちた










「…草姉…?」






來奈は何度も名を呼んだ






でも固く閉じられた瞼はもう開かない








冷たくなっていく草火を抱き締める









ザワッ






そして彼女は黒い霧となって形を失っていく







霧は來奈の腕をすり抜け天へと昇って消えていった


















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