Genius~守り人~
― …ここ…は……?

目を開くと光が溢れる部屋で横になっていた。

上に広がる木目の綺麗な天井

四方の白い襖と障子

畳の上に敷かれた白い布団







辺りを見回し來奈はゆっくりと起き上がる。

哀哭溜の自分の部屋とは真逆の部屋



― …そうか…ここは内裏の…















トン トン トン

シャッ



「あら、目が覚めたのね。気分はどう?」


障子が開かれ秋穂が顔を出した。

自分に向けられる笑顔。

昔のまま



「…大丈夫。」


隣に座った姉に答えを返す。


「早く目が覚めたみたいだね。後1日位眠ったままかと思ったよ。」

秋穂の後ろに立つのは爽やかな笑顔を浮かべた護


「でも、びっくりしちゃった。來奈、護の手を握ったかと思ったらそのまま倒れたんだもの。」

「無理もないよ。あの日は対戦して、術を暴発させて、朱雀として覚醒して…聴くところによると失っていた記憶も戻ったんでしょ?」

秋穂の方を向くと彼女は「そうよね」と頷いた。
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