Genius~守り人~
「…どれくらい寝てた…?」

來奈は秋穂に尋ねる。

「2日位かしら。」

「…そう…」






……もうすぐ闇の刻印が疼く頃……









何日も陰から離れていると直に刻印が疼き始める。




闇の力の根源を求めるように。







布団の上に重ねた自分の手を見つめ、もう一方の手で甲を握った。







…それだけではない……コレは……







「…早く……行か…ないと……」


微かに開かれた口から漏れる言葉

「どうして?氷とあんな戦いしたのだから死んだとか思われないの?」

護の問いに來奈は横に首を振る。


「……普通ならそう………でも、これがある限り……」

來奈は握った手を胸の前に持ち上げる。

「これはただ単に哀哭溜に属するコトを証明するだけのものではない。
この刻印は御前に与えられる。そして御前が死ぬか……自身が死ぬまで決して消える事はない。
自身が死んだ後、刻印は身から離れて御前のもとに戻る。それが死の証しとなる。
オレにはまだコレがある。
遅かれ早かれ奴らはオレを捜すため動き出す…」












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