Genius~守り人~
追っ手の攻撃を避けるため、4人はトンネル内の柱の陰に身を潜める。
相手の様子をうかがうが、その度に術によって強化された無数の銃弾が横をすり抜けていく。
「ったく、何だよこれ!」
隼人が口を開く。
「俺らは何もやってねぇのに。」
「あそこは刻印を持たない者が入ってはいけない。
あの空間に入った者は、秘密を漏らさないよう仲間に引き込むか、始末する。
それが奴らのやり方だ。」
僅かに目を伏せ、來奈は服の袖をめくってみせる。
そして、袖を元に戻すと追っ手の方へと目を向ける。
すると近くまで迫っていた奴らが引き返して行くのが目に入る。
「その刻印…」
「しめた!今だ、プラットホームまで走れ!」
來奈の言葉に少し考えていた隼人が口を開きかけた時、それを遮る様に氷が叫ぶ。
そして4人は再び走り始めた。