Genius~守り人~
「…まさか…本当に…」

驚きを隠せない列火と対照に、御前は顔色を変える事なく1歩前に歩み出る。

“雷針<シン=レルウォ>”

朱雀の足元に針化した雷が刺さる。

それを軽く避けてみせる。

“炎球<エル=ソイガ>”

朱雀の正面に幾つもの球体の炎が現れ、御前と列火に向かって飛んでいく。

しかしそれは2人に届く前に、御前の造り出した障壁によって消される。

「御前様!

ここは私にお任せください。」

自分より頭一つ分背の低い御前の肩に手を置く。

「列火、お前は下がれ。」

列火を見上げ睨みつけると、それだけ口にし再び朱雀の方を向く。

御前の鋭い瞳に、彼は「はい」とだけ答え陰へと姿を消した。




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