キミ色ヘブン
期末テストも近づいた頃、テスト週間という名目で部活が自粛されるようになった学校の第二美術室で再開される勉強会。

今日も交わされるのは

「中山君!とりあえず今はこの公式、覚えちゃってよ。前に進めません」

「白川さんってメドゥーサじゃなくて鬼?」

という進歩もなければ相変わらず色気もない会話。

でも気持ち一つで全然違う。

なんだか私、この時間が楽しいのだ。こうして彼と過ごす時間が嬉しいのだ。

「あ~、またかよ。お前ら美術室で勉強なんてしてんじゃねぇよ。俺様の製作の邪魔になんだろうが」

島先生が通りかがったついでに憎まれ口を叩いていく。

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