君と一緒に(短)







「脩ちゃんっ!」

「由宇、おっそいよ」

「ごめんね、着付けるのに思ったより時間かかっちゃって」


小走りするたびにカランカランと下駄が鳴る。

待ち合わせの場所に立っていた脩ちゃんは、毎年同じ紺色で無地の浴衣を着ていて。


「やっぱりそれにしてよかったね。よく似合ってる」

「っ」

「それに、ほら、俺のとお揃いみたいでしょ?」


にこにこ笑う脩ちゃんの言葉に、あたしの頬が赤くなるのが分かった。

何でこんなに簡単に、サラッと恥ずかしいことが言えてしまうんだ……。


「さ、行こっか。花火始まっちゃう」

「……ん、」


はぐれないように、いつもより強く手を繋いで人混みの中を進んでいく。





< 16 / 19 >

この作品をシェア

pagetop