恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
普段もおとなしい茉央だけど、今日は一段とおとなしい気がする…
私は部屋に入って茉央に近付き、背後に立った。
「茉央……!」
それを見た瞬間、自分の目に映る光景が信じられなかった。
だって…
まだ文字なんて理解出来るはずのない茉央が、かーくんの学校で使う教科書を開いているんだから─
まるで絵本でも読むように…
「ま〜ま〜!!!」
「茉央、ダメ!これはパパの大事なものなんだから!」
とりあえず、私は茉央から教科書を取り上げた。
もし破ったり汚したりしちゃったら大変だし…
「ほら、茉央。向こうでおもちゃで遊ぼう。ね?」
「や!!!」
えぇ…?