恋、涙 …【2】〜私とあなたと小さな天使〜
茉央は首を激しく横に振り、私の提案を拒否した。
そして私の足元に寄って来て、必死に手を伸ばし、私から教科書を取り返そうとしていた。
これ…
そんなに面白いの?
最終的に泣き出してしまった茉央を見て、私はため息をつきながら携帯を取り出した。
これが普通のおもちゃなら何の問題もないけど、よりにもよって教科書だし─
かーくんに茉央に貸しても大丈夫なものなのかどうかを聞いておかないと…
『もしもし?』
電話をかけると、かーくんはすぐに出てくれた。
てか…
いつも反応早いよね。
「あ…かーくん?私だけど…今、電話大丈夫?」
『ん?大丈夫、大丈夫!今すっごい暇だから♪で、どうしたんだよ?』
暇って…
「うん、実はね…」
かーくんの言葉に不信感を感じつつも、私は今の状況をかーくんに説明した。